なぜ上司は部下の仕事を邪魔するのか?
一番集中力が高まる出勤後の午前中、自分の業務を開始し勢いに乗ってサクサク仕事をこなしている矢先、上司から、
「昨日のあれ、どうなった?」
「来週提出のやつなんだけど・・・」
上司がいきなり思い出したかのように話し始め、集中がふっと切れる。。。
皆さんはこんな事ありませんか?
いつものことだから仕方ない、会社とはこういうものだと諦めている方もいるかもしれませんが、これは典型的なダメ上司の姿であり改善も出来ますし、こういった事をしない上司もいます。
では、なぜこんな事をするのでしょうか。
上司も所詮はただの人
ここでいう上司は単純に、自分の仕事の幅が自分の処理できる量より広くあり過ぎて、都度聞いていかないと処理できない方がほとんどです。
全体を把握しなければいけないという事を自覚はしているため、現場を担当している皆さんに聞いて把握しようとしていますが、一つ一つ細かく把握する深さはありませんし、する必要はないと思っているでしょう。
ですからこの広さだけをカバーすれば自分のやることはないと判断してしまうので手伝うことなく早く帰ってしまいます。
早く帰ること自体に問題はありませんが、本来早く帰れた人がその上司のせいで手を止めて説明したり、間が悪いタイミングで報告をせざるを得なくなったせいで帰れないとなるとそうもいきません。
無益なパイの奪い合い
周りを振り回し、早く帰る人。
こういう人は一部の人を除き仕事ができる人ではありません。
シンプルにいえば、他人の時間を奪い、自分のものにして自分の時間を増やしているだけです。
ですから会社全体の処理できる総量は変わりませんし、むしろ部下の高い処理能力を不要な時間に使ってしまうので会社としてはマイナスです。
そういう人に限って部下の時間の使い方が下手だとか、人を使うのが下手だとのたまい自分のせいだと気づくことはありません。
全員がそのような事をやったら会社は回らないという単純な計算ができない人なのです。
可哀想な上司に愛を
そんなどうしようもない上司に対してでも、効率を上げるためにやれることはいくつかあります。
①急がば回れ面倒でも朝や帰りに報告を
通常の業務に報告する時間が定められていない場合でもこちらから積極的に報告をしましょう。
時間は就業開始直後や就業時間の前などお互いの集中の妨げにならない時間を選ぶと良いでしょう。
また、打合せにも極力出てもらい状況を把握してもらうのも効果的です。
自分が仕事をしっかりやっているという自覚がある方は余計な干渉や口出しを嫌がり声をかけないことが多いかもしれませんが、自分が集中している時間に干渉されてしまっては壮大な時間ロス。
こちらが集中するタイミングと被らないよう先手で動くことが大切です。
②途中の口出しを恐れず常に共有を
メールや回覧システムには上司を追加し共有を。
メールのCCに追加する場合でも、できればそこに至るまでの経緯や今後の見通しなど簡単で構わないので不自然とならない程度の説明も入れて共有してあげましょう。
これがあるとないのとでは上司の理解度が大きく変わります。
これにより浅く広い情報を持っておきたいタイプの上司は少なくとも知らないとは言わないので余計な質問は減っていくはずです。
では反対に上司や先輩が部下や後輩に対して考えるべきことはなんでしょうか。
皆んなが尊敬する良きリーダーとは
①一生懸命話してもそれは自分の自己満足、恥と心得よ。
二人のコミュニケーションにおいては、的確な指示や受け手を考えたトスの仕方は能力の高い側からしかできません。
自分がやるわけでないのですから相手が理解していることの方が重要です。
指示は簡潔に、相手が聞き直す時間も確保してあげてください。
②相手の進め方を聞けて初めて管理者となる。
説明をしたら終わりではなく、「どれから始める?」など具体的な質問をして相手の考えを聞いてみてください。
途中でやり方を指摘するのは、当然二度手間になりますし、何よりモチベーションが低下する事を防ぐことが出来ます。
③相手の時間泥棒は上司失格。
自分の都合で声をかけるのはできない上司の証拠。
必要な確認は必要な打合せなどの機会に。
部下は忙しいので常に疑問は準備をしておき、部下や後輩から質問をされた際に自分の疑問を投げかける、または打ち合わせに同席させてもらいそこで解決すること。
その場ですぐに思い出せないようであれば必要なタイミングに確認できるよう常にリスト化と進捗の見える化を。
④仕事を邪魔されるのは上司の特権。名誉なことと思うこと。
自分の力を過信せずに相手の都合に合わせることで最終的には自分の能力も上がっていき自発的に声をかけられるタイプになれば自ずと周りから頼られ会社の評価も上がっていくでしょう。
今更聞けない上司や管理者の定義
本来であれば上司の時間と部下の時間では能力や支払われる給与も違いますから、上司がより責任の伴う仕事や難易度の高い業務をやるべきです。
ですから雑用は部下にやらせるのも間違いではありませんが、それはあくまでも管理者の能力が高い場合です。
実際問題、ほとんどの会社は”年齢”や会社にいる期間が長く”長期的に見た会社への貢献度”が考慮され給与やポストが決定されています。
中には能力も勤続年数も関係なく、転職時の給料に合わせて等級やポジションが割り当てられる会社さえあります。
上司を評価できない、信頼できない根本的な原因は能力と役職がミスマッチな人事を行う会社にあると言えそうです。
時には例外が
上記とは別に例外として決定的な仕事ができる人がいます。
直接役員を説得できる、クライアントの決裁者に直談判出来るなど、誰が見ても自分しかできない仕事とわかる場合のみ周りを振り回すことが許されます。
しかしながら、こういったことができる方は組織にはほとんどいません。
いたとしてもそれは極僅かな人数だということは皆さんがよくご存知だと思います。
例えどれだけ多くの人や偉い人と交渉したとしても、調整と言っているうちは決定的な仕事とは言いません。
自分で判断し、自ら動き、自分の責任を理解した上で結果を残すこと。
「誰々に相談してから」
「誰々に決めてもらってから」
「自分の権限では」
「この判断は自分が責任を取れるレベルでは」
このような言葉が出てくる人は100%決定的な仕事はできません。
そんな方は日々の努力で必ずなれる”部下を尊重する良きリーダー”を目指すべきです。
自己評価と周りからの評価をしっかりとすり合わせ、自分がどの位置にいるかしっかり把握し、周りから頼られるリーダーになることが会社に対する貢献になると私は考えています。
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