農耕民族と狩猟民族について
朝、通勤で利用する電車。ほとんど満員状態でその中に身を投じるのは気が滅入ります。毎回、先に乗っている人が後から入ってきた人に対して横柄な態度で接することでトラブルになる事が週に一度は見かけます。
満員なので当然体が当たることがあるでしょう。もともといた場所から詰めなければいけなかったり動かないといけなくなったりする場合は特にお互いのストレスになっています。
こういったトラブルが起こるたびに、以前何かで見た農耕民族と狩猟民族という考え方を思い出します。
草食動物の方が実は凶暴
農耕民族はその土地に根ざし、畑を耕し種を植え、手入れをしながら半年待つことによって実りの秋を迎えます。
天候に左右されますが、収穫が少なくても自分たちが所属するコミュニティで分け合い、協力して冬を越すのです。
一方、狩猟民族は文字通り動物を狩りその猟の結果によってその日の食べ物が変わり、不調に終わった場合食べることもままなりません。
農耕民族は我慢する代わりに安定供給が見込めます。
反対に狩猟民族は安定はしませんが、その成果が全て自分に返ってきます。
これが日本と欧米の文化にあてはめることができます。
日本は年功序列・終身雇用、欧米は成果至上主義。
前者は成功者をやっかみ格差社会をおそれ、後者は成功者を崇めて自分もとチャレンジする。
成果に対して対価が正当に支払われ、誰でも結果さえ出れば評価されることがアメリカン・ドリームと呼ばれるゆえんです。
ただし、失敗したら叩かれ、即クビとなる欧米より、給与は劇的に上がることはないものの、正規雇用になればなかなかクビにならない日本の文化の方がしっくりくる方も多いと思います。
どちらが良いかどうかはその人の考えによると思いますが、日本はなるべく安定する方法をベースに考えられているのだと思います。
本当は怖かった童話
童話「アリとキリギリス」ではキリギリスは先のことを考えず好きなことだけをして冬を越せなくなりアリに泣きつきます。
結末はいくつか分かれていますが、アリはキリギリスを助けることなく飢え死にしてしまう場合と、アリに助けてもらったキリギリスが心を入れ替える場合があるようですがいずれにせよキリギリスは愚か者として描かれています。
実際には、キリギリスの寿命は2ヶ月、一方アリは長生きする女王アリでなく働きアリだとしても2年は生きるとされています。
キリギリスは少ない寿命を謳歌すべく好きな事をしているのですから周りがとやかくいうのはかわいそうな気がしますね。
ただ、こうやってコツコツ働いて蓄えた方がいいよという考え方はやはり日本らしい考え方なのだと思います。年間決まった日数働き、計画的に消費活動をするというのは国が収支を安定させるために考えた方法なのかもしれません。
一日3食食べることが果たして健康に良いのか、早寝早起きが良いことなのか、結局どれも変わらない可能性だってあります。
一つ一つ自分の生活を見直すことは自然と決められた人生を見つめ直し本質的に自由となるための一つの方法かもしれません。
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