別れゆく後輩に思うこと。
先日、一緒に営業回りをしている後輩が、別の部署それも新規に海外で発足するプロジェクトに異動したいと申し出ました。
ようやく仕事と社内のコミュニケーションがうまくいくようになり、通常で考えればこれからというところの矢先の出来事でした。
本人は何らかの閉塞感を抱いての判断だと思います。
慣れてきたからこそ、これからこの仕事がずっと続くのかと思っているのかもしれません。
このとき、上司としてはようやく一人前になったので勿体無いと思い本人を引き止めようとします。
本人の都合など関係ありません。
でも注意しないといけないのは無理に引き止めても結局辞めてしまっては元も子もないこと。
部署移動だけであれば他部署で自社の利益に貢献してくれるでしょうから送り出した方がはるかに会社の利益になることでしょう。
ところが、周りが思うよりも上司というものは周りが見えていません。自分の部署を守りたいからこそ、結果的に異動も退職も一緒だと思いがちです。
必要なのは、相手の身になって考えることと最終的な会社の利益を考え決断することなのです。
蓋をしてしまうと伸びるものも伸びなくなるので必要に応じて飛び級でも次のステージを用意してあげることが重要です。
年齢、キャリアだけで判断すると結果その伸び代はスポイルされ、ただの作業者に成り下がってしまいます。
例えば、サッカーの久保建英選手は、バルセロナの下部組織で育ちましたが、クラブの獲得方法がルールに抵触し、公式戦出場停止となります。
そこで、2015年に帰国しFC東京U-15むさしに加入しました。
日本でも順調に才能を伸ばすと、U- 20W杯のメンバーに飛び級で招集され今年は16才ながらもJ1の試合に出場しています。
もし、年齢だったり入団順や他の選手とのバランスを考えていたら彼はここまで育つことはなかったでしょう。
会社も同様で、伸ばしてあげることが大事です。
集団行動する組織である以上、周りとのバランスを気にする人への説明は必要です。
ですが、それがやっかみに変わるのであれば、伸び代に蓋をするのではなく、やっかみに蓋をするべきだと思います。
私は彼に相談を受けた際、彼がまだ20代であるため、これを経験することで転職する際のキャリアアップに有利になることを伝えました。(上司には言えませんでしたが)
このアドバイスが響いたのかはわかりませんが彼は結果、人事に異動を申し出ました。
やっかみを育て、出る杭を叩く社風では業績は上がるはずもないので、この判断が正しかったと私は今でも思っています。
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