やってみせ、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かず
同僚が新規受注を目指しコンペに出たときのことです。
技術も価格も競うコンペで営業として様々な情報を集め競合の特徴をおさえ、どのような戦略を用いて受注を目指すのか。
営業マンはその全体の作戦を考えます。
上司はその同僚に厳しく、指示をして言われたことをしただけでは褒めてくれません。
同僚も一生懸命言われたこと以外にも丁寧に聞いてまわりさまざまな情報と戦略を構築していきます。
本来休みのはずの週末も出勤しプレゼンに備えます。
そして結果発表。
全てではありませんが一部を受注することができました。
満足できる結果ではありませんが、それでも直近は受注できていないクライアントでしたので次につながる限りなくポジティブな結果であったように思います。
ところが決まってからもその同僚は上司に「こうすればもっと受注範囲は広がった」
「あのときこれが分かっていれば別の動きができた」というような言葉で反省を促されたそうです。
この同僚は幸い我慢強く、受け入れることができましたが全ての従業員に対して通用する育成方法だとは思いません。
もっと言えばその同僚は我慢できるだけで、その後のモチベーションの低下は見て取るように分かりました。
初めは言われなければできないもんなんだよ
そこで、タイトルの言葉がでてきますが、この言葉は山本五十六という昭和に名を残した軍人の言葉です。
太平洋戦争を最後まで反対し、最終的に国がやると判断したらそこに理解を示した上で、「短期決戦」「早期和平」を勧めます。
当時の日本は戦争では連戦連勝を重ね、戦争も強いと信じてやまない状況にあったと推測されます。
その中でもその時の置かれている立場を理解しその上で最適な判断をできる数少ない人だったと想像できます。
最終的にトップの指示に従うところは正しいかどうかはさておきサラリーマンの置かれている立場としては間違っていない対応だったのだと思います。
仕事は見て盗め、などと言う人は人は育てることができないということを宣言しているようなものです。
一緒に仕事に取り組み、褒めながら伸ばしつつ少しずつ手離れしていくことが育成の本質なんですよね。
断りを入れておきますが冒頭の上司も決して怒ったりばかりする人ではありません。
ただ、モチベーションが人一倍高く、その特別な個性ゆえに周りの温度差を感じることが苦手なタイプだったのです。
響く言葉とは
ちなみに、山本五十六は冒頭の言葉の続きでこのようにも言っています。
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
素敵な言葉ですね。
時代が違えども、見る目のある人というものはいつも人の心を魅了する言葉を持っているものなのだと思います。
本日はこのくらいで。
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