財を残すは下、事業を残すは中、人を残すを上とす。
本日、ひとりの先輩が退職という道を選びました。
先輩と書きましたが、その方は2年前に入社したひとまわり以上も年上の後輩でした。
仮にこの方をAさんと呼びます。
私は工業製品の開発・製造の営業をしています。
その営業の後輩としてAさんが2年前に入社してきました。
私は主に開発の営業をしており、Aさんは主に製造の営業を担当することになりました。
同じ営業ではありますが担当する領域で部署が異なり上司も別の人です。
うちの会社は開発からその製造までを一貫して受注していますから、同じクライアントの担当をしている場合は営業同士の連携が必要となります。
こうしてAさんとは一緒に営業周りに出かけることになるのですが、やはり私よりもずいぶん年上で人生の経験があります。
製造現場で不具合があろうと適切に丁寧に対応します。
完璧な人間はいない
ただ、Aさんは覚えた業務をテキパキするのは苦手。
順を追ってこなしている仕事の途中で突然仕事を依頼されると、簡単な仕事でもあとに回してしまいます。
翌日までには完了させるのですが、上司が指示した瞬間はすぐやろうとしません。
それが周りから見たら鈍臭いと思われてしまうのかもしれません。
できないことに対して注意しても改善されないのであれば評価を下がるのは仕方ありませんが、私から見た評価としてはそれほど動きは悪いものではなくそもそも出来もしない多くの仕事を任せてしまっているようにも思います。
こういった然るべき評価がなされず人が去る事は何処にでもあることだと思いますが、同時に会社の利益のために他にやれることはなかったのか考えるべきです。
会社全体で見ればマイナス
結局やめてしまったあとはその代わりはどうするのか。
中小企業の営業など簡単に人材が見つかるわけもなく、人はすぐ入ってきません。
会社としてもAさんが辞めることはギリギリまでわからなかったのでしょう。
引き継ぎなどでバタバタしています。
社員の会社に対する評価も下がるでしょう。
それよりもAさんに対して適材適所な配置ができなかったのか。
ちなみにAさんの上司は同じ営業所にはおらず、月に数回営業所に顔を出す程度。
果たして本当の評価はできたのか。
今回の一件で誰が得をし、誰が損をしたのかは明らかです。
とはいえ、退職されるAさんはひと月待たず月末で退職をされるので4月から次の会社が決まっていることを祈るのみです。
残る者としてこういった人材を失わず済むにはどうしたら良いか。
人材難の中小企業に見られる永遠のテーマではありますが、こういった問題の答えを導き出していきたいと思います。
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