【とある企業の珍事録】60歳再雇用、レジェンドの場合。その1
再度就職することになった私ですが、入社した会社が20名ほどの小さな会社。
電子機器の開発も行う商社の営業マン。
そこで出会う方々は強烈で個性の強い人たちばかり。
ここでは会社の効率など二の次で、改善しがいはありそうです。
それでも、まずは働く上で当たり前の襟を正すところから進めていかなければならなそうで。。。
俺たちのレジェンド
入社後、私の教育係として任命された62歳の大先輩。
この方を私はレジェンドと呼んでいました。
もちろん、普段は名字で呼んでいますが、この方は長年サラリーマンとして
鉄人のように毎日休まず60歳まで勤め上げたタフさの持ち主。
以前は別の会社に勤めていましたが定年を機に転職を決意。
現在の会社に就職し2年ほど経ったところとのことです。
60歳を超えての就労意欲と再就職には頭が下がりますが、
私は一つの疑問が思い浮かびレジェンドに質問をしました。
「ここの会社には定年はないんですか?」
するとレジェンドはこう答えました。
「定年はありませんよ。」
その時私は「無期雇用なんてここはすごい会社ですね」と率直に思ったことを覚えています。
確かに平均年齢は高いので働きやすい環境と思いましたが、ちょっと変わった会社ですね。
私は入社したその日から、まず仕事よりも人間関係について質問を多くしました。
会社を辞める人は、仕事よりも人間関係に疲れてやめる人が多いからです。
初っ端からフルスロットル
レジェンドは物腰柔らかく、質問をするとなんでも答えてくれるやさしい方でした。
しかし、ちょっと堅物なところがあり、質問をしてもその質問の本題に関係ないところを指摘したり、
直接関係ない自分の主張にすり替える癖があり、質問した答えが返ってくることが半分以下という
なかなか大変な人ということに途中で気がつきました。
そして、極めつけは社長の話になると、態度が豹変。
「自分が社長にこれを提案したら否定された、社長はなんにも分かっていない!」
「ここでは、普通の会社では絶対にやらない無駄な仕事をやらせる!」
など、入社初日の私に怒涛の悪口を言ってくるのです。
しかも毎日同じことを何度も。
基本的にレジェンドの言うことは正しい場合が多いですが、思い込みも激しく正直どちらもどっちという場合もあります。。
例えば、先日、
「営業は今時お客様と直接会って話す必要はない、リモートで十分。お客様を訪問しろという社長はおかしい!」
とレジェンドは言いました。
これは確かにその通りだと思いますが、もしかすると、
「大切な情報は話してくれないから直接お会いして聞き取ってきなさい」と社長は言いたかっただけかもしれません。
別の日には、「営業は月末に請求の締めを行ったり、経理とのやりとりがあるから有給を取るべきではない。」
ということを一生懸命に私に説くので、
「代わりに上司か誰かがやればいいんじゃないんですか?」といったところ、
「それは営業ではない!普通は休まない!」と言ってきかないこともありました。
これは時代錯誤もいいところで、それをカバーするのが会社であり組織であるはずです。
昨今の働き方改革に近いことを言ったかと思えば、古く凝り固まった持論も述べる。
つまり、自分の考えが常に正しいと思いこんでいるだけの頭の固い頑固おやじなんだということがわかってきました。
先の有給の話は私が、「普通ってそういうものなんですね~(諦)。」といって話を終わらせました。
しかし、こういった社長批判や会社批判は終わることなく、私が会社や仕事の質問をするたびに毎日浴びせられることになります。
いやはや、先が思いやられますね。
その2に続く。
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