手段と目的の重要性〜(考察)メガネとコンタクトは何のためにあるのか〜
私は都内で働いているため電車を利用しての移動がほとんどですが、以前の職場では社用車を多く使いました。
仕事道具を持ち運んだり、同僚と移動するときの足車として利用したり。
ある日、会社の駐車場に停めてあった社用車を利用しようとした同僚が車に付いている小さなキズを見つけました。
車両は毎回利用する人の名前や走行距離などの履歴を取っており、乗る前に車の外装を確認し誰がキズをつけたのか分かるようにしています。
ところが今回、そのキズが小さいものだったため前の利用者も気付いておらず、ぶつかったと思われるようなことも一切ないと主張しています。
本来、責任の所在ということであれば前任者の乗車前の確認ミスということで決着しますが、話は私の言葉がきっかけであらぬ方向に進んでいくのでした。
余計なことを言ったつもりはないが炎上
全社会議の際に(といっても当時の会社は全員で20人に満たない人数でしたが。)、この問題の再発を防止するために管理者を明確にし、より細かいチェック項目を増やしていくべきだという雰囲気になりました。
しかし、私は管理部門もないようなこの小さな会社で細かい管理をするのは難しいということと、この車が営業用ではなく作業用でよく使うバンタイプということもあり「別にキズが多少付いててもいいんじゃないですか?走れないわけではないんだし。」と言ったところ、続いて私の上司が「会社の看板(ロゴ)を背負っている以上みすぼらしく見えるのはいけない。」と答えたため、すかさず私は「じゃあロゴ取っちゃえばいいんじゃないですか?」と切り返したものだから上司は「それじゃ意味ないだろう!」と怒り口調で私の言葉に反論してきたのです。
本来の目的を忘れてないかい?
その場でとっさに切り返した私に対して感情的になっている部分はあるとして(汗)、私の考えるこの会社にある車の目的は、
①必要な備品を運ぶ「物品の運搬」
②人数や場所や時間によっては移動が困難になる場所に対する「人員の輸送」
であると丁寧に説明しました。
上記の目的で車をリースする際に「ついで」としてロゴを入れたにすぎません。
ましてや、この会社は一般ユーザー向けのサービス業のような認知度を上げることよって顧客を増やす性質のビジネスではありませんからロゴがなくとも問題はないはずです。
ところが彼らは「行き先にロゴの入った車が停まっていると、そこに出入りをしていることがアピールできて次に別の顧客と会ったときにその話を聞くことがある。これだって立派なネタになるだろう」と、明らかに優先順位の低い理由まで持ち出してきてロゴを外すことを認めようとしませんでした。
結局、私の意見は通らず車のキズが増えないよう、管理者をつけて運用することになったのですが、、、
その後も忙しさにより酷使される社用車からキズが消えることがなかったことは言うまでもありません。
経験がある人ほど手段に固執してしまう
本来、手段とは目的を達成するための方法であって、手段を変えてはいけないというものではありません。
ところが手段はいくつもあるにも関わらず自分たちが日々行なっていることが固定化され、最も正しい行動として書き換えられていきます。
そして最終的にはそれを変えることはすなわち自分たちを否定することに繋がると考え変えることができないのです。
例えば、メガネは視力を矯正するという目的を達成するための手段であり、この視力を矯正するということが達成できるのであればコンタクトレンズでも良いはずです。
にもかかわらずメガネに固執するのは、ただ新しいことをしたくない、今までやってきたことを変えたくないという保守的な考え方に他なりません。
当然、その手段が自分に合う合わないということを考えれば全く同じというわけではありませんから、その時々の状況に合わせて最適な手段を選び直すことと、否定ではなく改善であるというポジティブな考え方を持つことは業務の改善活動として現在のビジネスマンには必要なスキルの一つであるといえるでしょう。
最後に余談ですが、メガネやコンタクトは視力UPの目的とは別にファッションとして伊達メガネやカラーコンタクトなどがありますがビジネスの目的は利益を上げること。目的が置き換わってしまったらそれはもはや仕事ではありません。
手段が目的とならないよう色眼鏡にはくれぐれもご注意を。
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