体育会系の落とし穴
以前の記事「レスリング協会の対応に見るパワハラの正体とは」でも書かせていただきましたが、アマチュアスポーツにおけるパワハラが止まりません。
厳密に言えば元からあったものがようやく表面化してきたと言えるでしょう。
レスリングからボクシング、そして今度は女子体操。
2020年東京オリンピックを見据えた今、次々と明るみになってきました。
これは被害者である方々達の勇気ある告発、それを取り上げるマスコミ、それらをバッシングする世論。
この三者から広がり現在は一種のムーブメントと化しています。
テレビを見ていてまた面白い人が出てきたと会社で話題に上ることもあるでしょう。
しかしながら、そう思っている企業経営者の方。笑い事ではありません。
いやいや企業もバカに出来ませんよ
一般的な新卒採用の際、スポーツをやっていた、しかも本格的に長くやっていた人ほど評価は高い傾向にあります。
また、高いとまではいかなくとも、能力が同じ評価となった際の採用の決め手はこういった少しの差で決めることもあるのです。
当然スポーツを通しての社会性、努力、理不尽さなど学ぶことはたくさんありますが、その文脈の中に、「監督や先輩から言われた事には異論を挟まず黙って行動する」という言葉が内包されている事も忘れてはなりません。
会社は言いなりになる人を欲しがっている
ワンマンの会社のトップは自分が優秀である事を疑わず、自分より優秀なものはいないのだから自分が決めた事を黙ってやる人間がいれば会社は繁栄する。と思っている事があります。
ですから言われた事をタフにこなせる人間が必要で、スポーツをやっていた人が適任なのです。
そう言った企業や多くの業界は結果新しいものは産まれず、斜陽産業となっていく。
人材不足や少子化、不景気なんていうのは全部言い訳なのです。
ムーブメントの今後
スポーツで言えばプロはハラスメントへの対応を急ぎました。
これはスポンサー企業やサポーターなど周りの目が多く、世の中にフィットする事がいち早く求められるプロの立場であることがいちばんの要因でしょう。
一方アマチュアスポーツは、経済規模も小さく商業的に成り立たない事が多いため、参入者も少なく、独裁的になりやすいということから結果健全化しづらい状況にありました。
しかしながらこの流れは簡単には止まらず時代は許してくれません。
このことから今回の問題は、この国に古くから刻まれる慣習、いわば遺伝子とも言える根深い問題で、そのまま社会につながる鎖構造であることを自覚しないと皆さんの会社も近い将来こうなる運命になるという事を肝に命じておくべきです。
結論
・パワハラは昔から学生スポーツにもあり、それを利用する社会や企業があった。
・スポーツのように社会性のある組織から順にこの問題が明るみになり、この流れは企業へも及ぶ。
・企業はこの勢いを止めることは出来ず、方向転換を強いられるため、転換できる企業と昔のままにこだわる企業に、集まる人材の差が出てくる。
・従業員の離職率や成長度合いにも差は見られ、近い将来企業の自然淘汰が始まる。
さて、今回の騒動、皆さんの周りでは面白おかしく話されている事が多いでしょうか?それとも明日は我が身と捉えているでしょうか?
この状況を経営者や上司がどう見ているかで会社の未来を予期できるかもしれませんね。
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