仕事における緊急度と重要度の優先順位〜4つの領域〜
前回、OJTとメンター制度の違いについて触れましたが、その中で会社では長期的に考えて緊急度が低いが重要度が高いものは後回しになってしまいがちであると書かせて頂きました。
普段、みなさんが関わる業務量が多くなると優先順位をつけて処理すると思いますが、続いて様々な追加業務が課されます。
これにより、本来やるはずだった余裕のある仕事が優先順位の高い追加業務に邪魔され、結果後回しとなり短納期の仕事になってしまったり、忘れてしまい怒られたりなど様々な問題につながる可能性があります。
そのため、単純に優先順位をつけるだけでは仕事はうまく回らないのです。
ここで大切なことは仕事のひとつひとつを分析することです。
まずは仕事を重要度と緊急度の高さで4つに分類してみましょう。
何気に分類が難しい4つの領域
①緊急度:高 重要度:高
→クライアントからのクレーム対応など
※第一領域
②緊急度:高 重要度:低
→クライアントへの対応や上司からの依頼
※第三領域
③緊急度:低 重要度:高
→社内からの確認事項や納期のある仕事
または人材教育、業務効率化
※第二領域
④緊急度:低 重要度:低
→書類の整理や社内の雑談、だらだら電話
※第四領域
一般的には上記を領域として分類し、第〜領域と呼ばれます。
ここでのポイントは、第一領域「①緊急度:高 重要度:高」の次の第二領域は「③緊急度:低 重要度:高」になることです。
普段の仕事でクライアントからの要望はいつも突然で納期も短いものが多いです。
そのため緊急度は自ずと高くなりますが、「在庫の確認」や「思いつきの質問」などよくよく考えれば緊急度の低いものもあります。
しかしながら会社はクライアントの都合というと優先して動いてくれます。特に営業ならなおさらです。
そしてその忙しさに気持ちよく流され、大切なことを忘れていることもあります。
第二領域はこの大切なことを補う領域となることが多いのです。
意外と見落としがちな同じ作業
例えば、毎日同じデータを入力する作業があったとします。
そしてそれを毎日同じクライアントに送らなければならなかったとします。
このとき、その日の打ち込むデータが来たらすぐに取り掛かるでしょう。そしてできる限り早く終わらせて次の仕事をやろうとします。
しかし、冷静に考えてみれば、毎日同じ業務なのであれば簡略化ができるはずです。
入力するソフトがエクセルであれば、定型フォームを作って一気に入力したり、マクロ機能を利用して毎回同じ作業をワンクリックで集計したり、より複雑なのであれば別のソフトのプログラムを利用しある決まったアウトプットを簡単にできるようにすることができます。
ところが、この入力以外の下準備には時間とお金がかかる場合があり、それを判断できない現場の方がひたすら手入力を繰り返すという光景がよく見られます。
毎日の業務となれば年間にかかる時間は膨大です。
一日30分の業務も年間240日の業務となれば7,200分、一人の従業員が同じ仕事をした場合、丸15日分の労力(工数)を使うことになります。
簡単なプログラムなら20〜30万でできますから、一年間以上続けるのであれば確実に機械の力を借りた方が良いはずです。
こういったことから長期的に考えると第二領域がとても重要なことが分かります。
ところが与えられた仕事は気持ち良いので同じことをひたすら続けようとする方は多いことでしょう。
この気づきができる方が現場を理解している上司であるかは重要なところです。
数字だけ見ている経営者は理解できますが、反対に現場をよく知っている人こそ陥りやすい罠であると言えるでしょう。
これを実行するには長期的に見て大きな利益につながるという筋道を立てて提案し、最終的な費用対効果を見せながら納得してもらうしかありません。
また、こういった気付きや取組はマネジメント能力を培うチャンスといっても良いと思います。
会社を良くしていきたいが忙しくてどれから手をつければ良いか分からないという方は、まずは普段の業務を領域に分類してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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