レスリング協会の対応に見るパワハラの正体とは
先日からニュースを賑わせている女子レスリング伊調馨選手のパワハラ問題。
パワハラの当事者とされている日本レスリング協会の栄和人強化本部長に対し、さまざまな憶測がなされメディアを騒がせています。
そして、ついに同協会の副会長である至学館の谷岡学長まで出てきて告発された側に落ち度はない、告発側に原因があると取れる発言をしたものだから余計炎上するという見事な燃料の投下っぷりでした。
会見の中では、栄氏にはパワハラするほどのパワーがないことや、伊調選手はそもそも選手なんでしょうか?などと、とんでも理論を展開します。
あんたが言ったらたらおしまいでしょうよ
ハラスメントはその性質上、被害者の告発により発覚します。当然、加害者がハラスメントがあったかを決めることではないので、真偽は第三者に任せるべきです。
にもかかわらず調査結果を待たず協会側を擁護する発言。加害者側のしかも自浄作用が期待される協会の公平性を欠く発言は大きな問題に発展することでしょう。
仮にこれを会社に置き換えてみましょう。
とある平社員が部長からパワハラ被害を受け告発、会社が調査を開始したとします。
ところが、その調査を待たずして役員が出てきてこう言います。
「パワハラをした部長は力がない。私がダメだと言ったらその部長の意見は通らない、その程度なんですよその部長は!」
は?となりますよね。ハラスメントは当事者同士の力関係の問題であって、その上の関係など全く関係のない話です。
組織は継続している実績と日々努力をしている自負からか自分たちは今まで一生懸命やってきた、だから間違っていないし問題が起きてもそれは自分たちではなく告発をしてきた方に問題があるという思考に落ち着きやすいのです。
組織の天敵とは
結局のところ、組織は自分たちのやってきた歴史を否定することにならないよう正当化するために現体制を変えないようにするしかありません。
つまり、組織とは自分達のプライドに殺されることになるのです。
本来、自浄作用を働かせるためには組織の定期的な代謝と適度な外圧が必要です。
今回の一件では同協会の理事である国会議員の馳浩(元アマ、プロレスラー!)先生あたりの動きに期待したいところですが、国会議員も票がもらえるバックボーンがあって成り立つ職業ですから後援会がレスリングつながりとなると、、、、。
なんだか去年の相撲協会の時と同じ構図となりつつあるレスリングパワハラ問題。
果たしてどうなるものでしょうか。
この騒動が旧態依然とした日本組織の伝統芸能?とならない事を祈ります。
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